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睡眠の質を上げる方法とは?歯と睡眠の知られざる繋がりと改善のヒント

公開日:2025.01.12
更新日:2025.01.12

睡眠は、私たちの体と心の回復に欠かせないもので、生活の質や健康に大きな影響を与えます。睡眠の質を向上させたいと考える人が多い中、歯の健康もそのカギとなることは意外と知られていません。実は、歯ぎしりや噛み合わせの問題、さらには歯周病といった口腔内の健康状態が、睡眠の深さや質に深く関わっているのです。
今回は、歯と睡眠の関係性を掘り下げ、質の高い眠りを得るためのヒントを紹介していきます。

睡眠の質に影響を与える歯の健康要素とは?

睡眠の質には、さまざまな要因が影響を与えますが、その中でも見過ごされがちなものに歯の健康があります。ここでは、歯ぎしりや食いしばり、顎関節症、噛み合わせ、そして歯周病といった歯に関する要素がどのように睡眠に影響を与えるかを詳しく見ていきます。

歯ぎしりや食いしばり

無意識に行われる歯ぎしりや食いしばりは、歯や顎にも-大きな負担をかけます。これらの習慣が続くと、顎周辺の筋肉が常に緊張し、痛みが発生することがあります。こうした筋肉の緊張が寝ている間にも続くと、リラックスした状態が維持できず、深い眠りに入りにくくなります。その結果、朝起きたときに疲れを感じたり、肩こりや頭痛が悪化することもあります。

顎関節症

顎関節症は、顎の位置のずれや関節の異常によって生じる疾患で、口を大きく開けようとすると痛みが生じたり、口を大きく開けられない、または大きく開けたとに口が閉じにくくなることがあります。特に、寝ている間の食いしばりや歯ぎしりが原因で歯や歯の周りの組織、噛むときに使う筋肉に負担がかかりやすく、痛みや不快感が生じます。この状態が長く続くと、寝ている間も筋肉が緊張しているため、睡眠の質が低下してしまいます。また、顎関節症は食事や会話においても不便を感じるようになり、ストレスの原因となり、さらに睡眠に悪影響を及ぼすことがあります。もしくは、片方のみで噛むケースが多いため、年齢とともにお顔の非対称(特に輪郭)が進むケースが多くみられます。

歯の噛み合わせ

噛み合わせが悪い場合、口や顎だけでなく首や肩の筋肉も影響を受けます。噛み合わせがずれていると、無意識のうちに周囲の筋肉を緊張させて調整しようとするため、リラックスしづらくなります。このような筋肉の緊張は、回復を促す睡眠を妨げる一因となり、日々の疲れが取れにくくなります。また、良い睡眠がとれていないとストレス耐性が下がり、より食いしばりや歯軋りが噛み合わせや噛む筋肉の筋肉の過緊張を改善することで、これらの筋肉の緊張が緩和され、より質の高い睡眠が得られる可能性があります。

歯周病

歯周病は、睡眠不足や不眠が悪化の要因となることが知られています。睡眠が不足すると、自律神経が乱れ、唾液の分泌が減少することがあります。唾液には口腔内の細菌繁殖を抑え、洗い流す効果がありますが、唾液の分泌が少なくなると、口の中で細菌が増殖しやすくなります。これにより歯周病が進行し、痛みや腫れが発生しやすくなってしまいます。痛みや晴れがあると、睡眠中にも不快感を感じて目が覚める原因となります。また、睡眠不足による免疫力の低下も歯周病を悪化させる要因となるため、口腔内の健康と睡眠の質は密接に関わっているといえるでしょう。また、歯周病菌は口の中の毛細血管を通して血管を詰まらせる原因になることも知られています。睡眠中は体内の水分量が減る傾向にあります。そこに炎症のある歯肉からお口の中の細菌が入り込むと、血管の中で詰まるリスクも高くなってしまいます。

歯の健康を意識することで、睡眠の質も改善される可能性があるため、睡眠の問題に悩む方はまず歯科医での相談を検討してみることをおすすめします。

歯の健康が睡眠に及ぼす具体的な影響

睡眠時無呼吸症候群との関連

噛み合わせや下顎のアーチが狭いと、舌が後退する原因となりやすく、気道が狭くなりやすいです。気道が狭くなると、睡眠時無呼吸症候群を引き起こす原因となります。特に睡眠中は舌が後退していると気道を閉塞しやすくなってしまいます。この状態では、睡眠中に呼吸が止まると血中の酸素飽和濃度が下がり、通常得られる睡眠による心身の回復が得られず、睡眠の質が大幅に低下します。また、無呼吸症候群が長く続くと、日中の集中力低下や疲労感の増加といった悪影響が現れるだけでなく、体重や食事のコントロールができていても動脈硬化が起きやすくなります。また、睡眠時無呼吸症候群が原因の高血圧は、薬により血圧をコントルールすることが難しく、一般的な高血圧に比べても脳卒中や脳梗塞、心臓発作による死亡リスクが高いため、治療抵抗性高血圧といわれています。

痛みによる睡眠障害

歯や顎に痛みがあると、寝ている間に不快感が生じ、深い眠りに入りにくくなります。特に顎関節症や歯ぎしりによる痛みが強い場合、眠りの浅さが悪化し、寝ても疲れが取れない原因となります。これにより、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。

日中の疲労感や集中力低下

睡眠の質が低下することで、体の回復が不十分となり、日中に疲労感や集中力の低下が引き起こされます。歯の健康が原因で睡眠の質が低下している場合、気づかないうちに日中のパフォーマンスが落ちてしまうこともあります。特に、疲労感が蓄積することでストレスが増えるのにもかかわらず、ストレス耐性は下がってしまうので、さらに日中にも食いしばりや歯ぎしりなどが起きやすく、口腔内トラブルを悪化させる悪循環に陥る可能性があります。

睡眠不足によって引き起こされる歯周病の悪化のリスク

睡眠不足は、口腔内の健康にも影響を与えます。
特に、自律神経の乱れによって唾液の分泌量が減少し、口腔内の自浄作用が低下することで、口腔内に細菌が増えやすくなります。唾液は自然の防御機能として細菌の増殖を抑える役割を担っていますが、睡眠が不足するとその効果が十分に発揮されなくなり、歯周病の進行リスクが高まります。
歯周病は初期には自覚症状が少ないため、睡眠不足が続くことで知らないうちに口腔内の健康が損なわれてしまう危険性があります。

また、不眠が続くと、糖代謝が異常をきたし、インスリン感受性も低下することが分かっています。こうした代謝機能の変化は体全体の炎症反応を悪化させるため、歯周病の進行リスクをさらに高めます。
睡眠不足と歯周病には、健康管理の面で見逃せない重要な関連があるといえるでしょう。

睡眠の質を改善するための歯のケア方法

質の良い睡眠を得るためには、歯や口腔内の健康も欠かせません。以下のケア方法で、睡眠の質を高める助けになるでしょう。

歯ぎしり・食いしばり対策

無意識の歯ぎしりや食いしばりがある方は、ナイトガードを使用するのがおすすめです。ナイトガードは就寝時に装着することで歯を保護し、筋肉の負担を軽減します。また、寝る前のリラックス法や深呼吸、ストレッチも筋肉の緊張を和らげ、ぐっすり眠るための準備になります。
睡眠時の低血糖も食いしばりや歯ぎしりを起こしやすくするので、睡眠中に低血糖が起きないような食生活を送っていただくことも大切です。具体的には、飲酒をした場合は、酔いが覚めてから就寝する、1日3食を規則正しくとる、血糖値スパイクを起こしやすい飲食を控えていただく、などがあります。
咬筋の過緊張をとるために、ボトックス治療も大変有効で、治療を受けたその日から効果を感じる方も多いです。

顎関節症の治療

顎関節症の症状がある場合は、口腔内をケアし、専門医に相談することが大切です。適切な治療を受けることで痛みや違和感が緩和され、安定した睡眠を得ることができます。噛み合わせの調整や筋肉の緊張緩和のための指導を受けることも、症状改善に役立つでしょう。

適切な噛み合わせの調整

噛み合わせが悪い場合、矯正治療や噛み合わせの調整が必要なことがあります。適切な噛み合わせを得ることで、顎や首の緊張が和らぎ、睡眠の質が向上します。歯科医と相談し、自分に合ったアプローチを見つけることが、日々のリラックスと快適な睡眠につながります。

歯周病予防

睡眠リズムが乱れると、免疫力が低下し、歯周病が悪化しやすくなります。十分な睡眠をとることで、免疫力を保ち、唾液の分泌も適切に促進されるため、口腔内の健康維持がしやすくなります。質の高い睡眠を維持することが、歯周病の予防や進行防止にもつながります。

当院には睡眠の質を高めたい方のご相談が増えています

睡眠の質を上げるためには、歯と口腔内の健康を保つことが非常に重要です。歯の問題が睡眠に影響を及ぼす場合、適切なケアと予防が不可欠です。お悩みの方は、ぜひ当院までご相談ください。

神谷町デンタルクリニックでは、忙しい日常の中で仕事のパフォーマンスを維持するためのオーラルケアにも力を入れております。睡眠の質は仕事のパフォーマンスや日々の生活において非常に大きなウェイトを占めます。
当院は再発の少ない歯科治療と再発防止のための専門家によるメンテナンスを併せてご提供することによって、生涯の医療コストを削減し、より質の高い人生を長くお送りいただけますよう、患者様に貢献していくことをモットーとしております。全力であなたの健康的な生活と良質な睡眠を手に入れるためのサポートをさせていただきます。

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