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妊娠期の口腔内炎症が与える影響と予防法

公開日:2025.01.11
更新日:2025.01.11

妊娠を控えている方、妊娠中の方、不妊治療を受けている方にとって、全身の健康管理は非常に重要です。その中でも見落とされがちなものの一つが 口腔内環境です。今回は、口腔内の炎症が妊娠期にどのような影響を及ぼし、健康な妊娠生活を送るために何を心がけるべきかをご紹介します。

口腔内の炎症が妊娠期に与えるリスク

1. 早産や低体重児出産のリスク増加

口腔内の炎症や感染症(特に歯周病)は、体内の炎症を引き起こし、早産や低体重児出産のリスクを高めることが知られています。これは、炎症物質が血流を通じて全身に広がり、子宮収縮を誘発することが原因とされています。

2. 妊娠糖尿病や妊娠高血圧症の発症リスク

妊娠中はホルモンの影響により歯周病が進行しやすい口腔環境になります。しかし、歯周病があることにより、血糖値や血圧の管理が難しくなることがあります。特に、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症を発症しやすくなるため、定期的な口腔ケアが重要です。

3. 母体の免疫低下と感染リスクの増加

妊娠中は免疫機能が変化するため、体が感染症に対して敏感になります。口腔内の炎症があると、全身の免疫力がさらに低下し、風邪やインフルエンザなどにかかりやすくなることもあります。また、ホルモンの影響により、非妊娠時よりも歯周病にかかりやすくなっています。

4. 胎児の発育に影響

口腔内の感染が慢性化すると、胎児の発育に悪影響を与える可能性があります。特に炎症による体内のストレスは、胎盤の血流を減少させる恐れがあります。

口腔内の炎症を予防するためのポイント

1. 定期的な歯科検診

妊娠前や妊娠中は、3〜6ヶ月ごとに歯科検診を受けましょう。特に歯周病や虫歯がある場合は、早期治療を行うことで全身の健康を守ることができます。

2. 正しい歯磨きとフロスの使用

毎食後の歯磨きだけでなく、デンタルフロスを活用して歯と歯の間のプラークも除去しましょう。歯磨きは優しく丁寧に行い、歯茎を傷つけないよう心がけてください。

3. 妊娠期専用の口腔ケア製品の活用

妊娠中はホルモンバランスの変化で歯茎が腫れやすくなるため、刺激が少ない低刺激タイプの歯磨き粉やうがい薬を使用すると安心です。

4. バランスの取れた食生活

栄養バランスの良い食事を心がけ、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル、ビタミンCやB郡などのビタミンを積極的に摂取しましょう。これにより、歯や歯茎の健康を維持しやすくなります。
つわりで飲食の回数が増えたり、歯ブラシを入れると気持ち悪くなる場合は、薬効のあるマウスウォッシュの使用をお勧めいたします。
また、つわりが落ち着いてきたら、プロバイオティクスを摂取し、お口の中の善玉菌を増やし、虫歯菌を抑制することができます。もちろん、お母様のお口の中の歯周病菌の抑制も行えます。
プロバイオティクスの摂取は、お母様だけでなくお父様も同時に摂取いただくことでお子様への虫歯菌の感染をより効果的に防ぐことができます。

5. ストレス管理

ストレスは免疫力を低下させ、口腔内の健康状態にも悪影響を与えます。リラックスできる時間を作り、睡眠をしっかり取ることで口腔内の健康を守りましょう。2番目以降のお子様の妊娠の場合、上のお子様のお世話もあるかとは思いますが、託児所などのサービスを上手に利用して母体が健康であることが生まれてくるお子様だけでなく上のお子様やパートナーやご家族にとっても一番価値があることです。

妊娠を考えてる方・不妊治療中の方向け歯科治療サービス

神谷町デンタルクリニックでは、妊娠を考えている方や不妊治療中の方に向けて、口腔内の炎症や歯周病の治療を推奨しています。不妊治療中は女性ホルモンの変化により歯周病が悪化しやすくなるため、妊娠を安心して迎えるためにも妊娠前の口腔ケアが重要です。また、着床の際に赤ちゃんを排除しないために免疫寛容がおきなくてはいけませんが、お口の中に炎症がある場合、常に免疫のスイッチがオンになっているため、免疫寛容が起きにくくなると考えられます。

また、歯周病があると、せっかく懐妊しても流産や早産、低体重児出産の可能性が7.5倍になると報告されています。不妊治療は時間との闘いでもあるため、歯周病の早期発見と治療を行い、体の炎症を減らしておきましょう。

こんな方におすすめです

・将来的に妊娠を考えている方
・お子様の虫歯リスクを減らしたい方
・不妊治療中で歯周病や虫歯が気になる方
・出産前に虫歯を治療したい方
・個室診療でリラックスして治療を受けたい方
・満期出産のために体の炎症を減らしたい方

神谷町デンタルクリニックの特長

妊婦歯周病治療の専門知識を持つ歯科衛生士や歯科医師が在籍

ロイテリ菌(歯科用プロバイオティクス)のマタニティコースの講習を受けた歯科衛生士やや歯科医師が在籍しており、不妊治療中や妊婦の方も安心して通院できる体制を整えています。

ロイテリ菌(プロバイオティクス)を用いた治療

ロイテリ菌はヒト由来の乳酸菌で、歯周病菌や虫歯菌、口臭の原因菌を抑制する効果があります。安心・安全なケアとして推奨されています。

完全予約制の個室診療と感染対策

個室診療を導入し、徹底した感染予防対策を行っています。リラックスできる環境で安心して治療を受けていただけます。

抗生物質を使わない治療法の選択肢

歯周病の治療方法として、抗生物質を使用しないアプローチを選択することも可能です。また、オンライン歯磨きレッスンを提供し、自宅でのセルフケアもサポートします。

お子さまの虫歯リスクを減らすために

妊娠中や出産後の口腔ケアは、お子さまの健康にも影響を与えます。妊婦の歯周病が進行すると、体内で分泌されるプロスタグランジンという物質が子宮収縮を促し、早産のリスクを高めることがあります。また、歯周病菌は炎症のある歯肉から血管の中に入り込み、動脈硬化や高血圧の原因となります。それだけでなく、歯肉の炎症と糖尿病の悪化についても密接に関連しています。
また、虫歯菌は親から子どもへ感染するとされているため、保護者の口腔ケアが子どもの虫歯予防につながります。

神谷町デンタルクリニックでは、唾液検査を通じて口腔内の状態を把握し、将来的な虫歯リスクを予測することで、個々に適した予防プランをご提案します。

歯科治療を受けるタイミング

妊娠中の歯科治療は、安定期(妊娠16週〜27週ごろ)が適していますが、つわりがなければまずは口腔内チェックと歯周病予防の治療を王家になることをお勧めいたします。
大きい虫歯などがある場合、必要な治療はなるべく早めに行うようにしましょう。妊娠後期になれば麻酔薬や投薬を行えない場合があること、また、お腹が多いために歯科用チェアに長く寝ていられなくなるため、治療が難しくなることがあります。
痛みや違和感がなくても、妊娠がわかった場合は早めに歯科医院にてチェックされることをお勧めいたします。

口腔ケアに不安を抱えている方は神谷町デンタルクリニックにご相談ください

「妊娠を希望するなら歯の健康は欠かせません」
産婦人科医の錢 瓊毓先生も、妊娠中の口腔ケアの重要性を強調しています。歯周病は母体だけでなく、胎児にも影響を与えるため、妊娠前からのケアが理想的です。

妊娠期の口腔内環境の悪化を防ぐことで、健康な妊娠生活を送り、赤ちゃんの将来の健康を守ることができます。
あなたの健康と赤ちゃんの未来のために、まずは歯科検診から始めてみませんか?

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