アメリカの歯医者は高い?日本とアメリカの歯科治療を比較
公開日:2023.05.01
更新日:2023.07.16
コロナ禍以前のように人の往来が増え、海外旅行やビジネスで海外に滞在する予定が増えてきた方も多いのではないでしょうか。長期間海外に滞在する際に気になるのが、医療費のこと。とりわけ歯科治療について、アメリカと日本での治療の違いについてご紹介します。
結論としましては、アメリカでの治療はプライベートの保険を利用しても高額になるケースが多く、英語でのコミュニケーションが負担となることが多いことに加えて、専門科に分かれての治療になることが多く、いくつもの歯科医院に受診しないといけないことが多いため日本でできる限りの治療を行うことをおすすめします。
短期集中治療に特化している当院では、海外からの一時帰国の患者様や海外渡航前の歯科検診でご来院いただいているお客様もとても多いです。渡航までの時間が短い方でも、最短1回で治療を完了することができますので、治療をお急ぎの方はお早目のご予約やお問合せをお待ちしております。
それではアメリカと日本の歯科治療の違いをみていきましょう。
アメリカと日本、歯への意識の違い
まず日本は歯に対する意識が低い、という話を耳にされたことはありますか? アメリカでは歯並びや口元の清潔感は最低限のマナーとなっており、小さいころから歯並びへの意識が非常に高いです。欧米がコミュニケーションにおいて口元で表情を読み取るのに対し、日本では目元で表情を読み取ることが多いのですが、その違いもあるのかもしれませんね。
実際にアメリカのヒーローは目元を隠していても口元を隠しているヒーローはいません。逆に悪役は、口元がガタガタだったり、歯が汚れているという演出が行われていることが多いです。口元が与える印象がとても大きいのです。
歯科治療についても日本と違いがみられます。 日本では、失った歯を補うためにブリッジや入れ歯などの方法が今も広く使われているのに対し、歯科医療の先進国とされる国々では、インプラントによる失った歯の修復が中心となっています。
また日本では予防よりも治療が重視される傾向にありますが、アメリカでは特に治療費が高額なこともあり、う蝕や歯周病の予防が重視されています。日本では審美的な治療と思われがちな歯の矯正治療も、実は歯並びをまっすぐすることにより、清掃性を向上させ、かみ合わせの力を正しくサポートできるようにを並んだ歯を手に入れるための究極の予防とも言えるので、皆さん、小さい頃に矯正治療を受けることが一般的になっています。
アメリカの保険制度
アメリカでは治療費がとても高額だとよく耳にしますがなぜでしょうか?
それはアメリカには日本のような国民健康保険制度が存在しないからです。日本では国民健康保険制度により、自己負担が1割〜3割と抑えられており、さらに高額療養費制度により自費の負担が軽減されています。また、保険診療においては、治療費を安く提供するためにいろいろな制約が国により決められています。
アメリカではそういった保険制度が存在しません。低所得者(年収100万円以下、加入条件は州によって異なる)と身体障害者対象の医療保険制度として、メディケイドがありますが、メディケイド対象外である多くの人は、会社や学校を通じて民間保険に加入する必要があります。実際には、大部分の人が民間医療保険を主に利用しています。
医療保険に加入していたとしても自己負担額が高いことや、失業によって医療費を支払えなくなるほか、保険対象外の怪我や病気に見舞われるケースなどが社会問題にもなっています。
またアメリカでは高額な医療費を支払えばよい治療を受けることができますが、そうでない場合、高度な医療を受けることができず、悪化する例が多いです。また、材料費の高騰やコロナ禍以降のインフレの影響で、高度な歯科治療を受けられる人が少なくなっています。
アメリカの歯科治療の課題
開院以来、海外からの患者様を拝見してきた経験により、アメリカの歯科治療の傾向は、専門性に特化しすぎていて、治療がつぎはぎになっていると感じられます。被せ物をする人は被せるだけ、インプラントはインプラントするだけで、治療の段階ごとに別の担当者が対応する場合が多く、患者さんの口の中に責任を持つ人がいないため、包括的な治療が行われていないと言えます。
例えば、根管治療で細菌の除去を行っても、エンドドンティストは根管しか治療せずに終了してしまうため、当院にご来院いただいた際に仮の蓋を開けたところ、歯冠の虫歯が除去されておらず、再感染を起こしているように見受けられたケースも多々あります。根管治療は再発を繰り返すほど治癒率が下がってしまうため、どんなに素晴らしい治療を受けても土台を作ったり被せたり、という治療をシームレスに行わなくては再発の可能性が高くなってしまいます。
また、コロナ前に来院してくださった方を、パンデミック後に拝見したところ、定期的に歯科医院には行っていたとのことでしたら、歯周病がとても進行している方が多く見受けられました。
アメリカに滞在中に歯科治療が必要になったら
歯科治療も他の医療と同様に、基本的には民間保険に加入するケースが多いと思われます。しかし、民間保険では支払う保険料によって上限金額が設けられたり、治療内容によっては保険でカバーできないなどの制約が多いことが問題として挙げられます。また、保険を使用しても治療費が高額になるケースも多いようです。そのため、保険を使用せずに都度治療費を払うという方法もありますが、虫歯の治療費に検査を含めて10万円以上かかることもあるため、高額になることは覚悟しておいた方が良いでしょう。
虫歯やその他の歯の問題を抱えやすい人は、歯科保険に加入した方が得策です。
あるいは、一時帰国時の日本での歯科治療をご加入の民間保険へ請求することも可能です。
歯の根の治療(根管治療)をアメリカと日本で比較
日本の歯科治療は保険診療と自費診療に分かれます。根管治療は保険診療でも可能ですが、保険診療の場合は厚労省が決めた「広く安く提供できる医療のガイドライン」に剃って治療することが不可欠です。当院ではより精密で成功率の高い根管治療を行うために、保険外診療で最新機器と最高レベルの衛生環境(例:根管内で使用する器具などは毎回新品を滅菌して使用しております。この毎回新品を準備する費用だけで保険の根の治療にかかる全てのコストよりも高額なコストをかけています。)で治療を行っております。
ここでは当院における根管治療とアメリカでの一般的な根管治療の比較をご紹介します。
まず1番気になる方が多い費用、料金についてご紹介します。
当院ではすべて保険外診療(自費診療)となっておりますので初診からクラウンを入れるまでの治療で、総額35万円程度が相場となっております。少ない通院回数で再発を防ぐ根管治療に特化しておりますので、安心してお任せください。
アメリカでは一般的に保険を利用して15万円〜50万円ほどのところが多いようですが、立地や加入している保険により異なります。また現在は円安が進行していますので、日本人にとってはさらに高くなることが予想されます。
また材料費もインフレの影響を受けて高騰しておりますので、それらが治療費に転嫁されており、近年はさらに医療費が高額になりつつあることも考慮に入れておいた方が良いでしょう。
また当院はアメリカの最先端医療に引けを取らない技術と設備で治療を行っています。日本ではまだ導入率に課題のあるマイクロスコープを使用した治療やラバーダム防湿を用いた治療を行っております。アメリカや海外における最先端の医療を日本でもお受けいただける環境を整えております。また当院は特に短期集中治療に特化しているので、治療回数を最短1回(治療の内容、治療が必要な数によるのでご相談ください)に抑えることが可能です。
何度も通院することができない遠方の方や、一時帰国の方に選ばれています。
渡航前・一時帰国の際に、日本で歯の問題をクリアにしましょう
海外での歯科治療は言語の問題や治療環境の違いなどから、自分にとって最適な治療を受けるハードルが高くなってしまうのが現状です。
海外で不安の中治療を行うよりも、日本にいる間に治療を完了し、虫歯になりにくい口腔環境を整えることを強くおすすめします。
出発スケジュールや一時帰国スケジュールをご共有いただければ、その中で対応できる治療スケジュールをご提案することも可能です。ただし予約が取りづらくなっておりますので、一時帰国や渡航の予定がある方は、お早めにご予約をいただくことをおすすめします。