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外出自粛で歯医者に行けない方向け自宅でできる歯のケア

公開日:2020.03.28
更新日:2022.01.08

新型コロナウイルスの感染拡大が深刻度を増しており、東京都知事により今週末の外出自粛が要請されました。今後も先行きは不透明となっており、外出がしづらい状況となるかもしれません。そういう状況下において、口腔内の健康について軽視されがちですが、口腔内の健康は免疫低下につながる恐れがあり重要です。

既に虫歯がある方や、根管治療中の方は出来るだけ早く治療を行うべきでしょう。1日で治療を行いたい方、根管治療中の方で早期の治療を希望される方は一度お問い合わせください。予約の空き状況に応じてお受けできる場合がございます。また感染予防を徹底するために、事前に電話でご予約いただいた方しか拝見できないことをご了承いただければ幸いです。

現時点で歯医者にかかる緊急度が低い方は、感染を予防するためにも今は自宅でできるケアを行いましょう。歯磨きやフロスなどの基本的なケアにプラスして、ご自宅でできる歯のメンテナンスやケアについてご紹介いたします。

歯磨きとフロスを使用した歯のケア方法について

歯ブラシの選び方

歯ブラシは、毛先の開いていないものを使いましょう。ご自宅で使用している歯ブラシをよく見てみてください。
毛先が開いていなくても、使用しはじめてから3-4週間経過していれば、新しいものに交換して下さい。歯ブラシのナイロン毛が摩耗して、プラークの除去効率が著しくさがってしまいます。

フロスを使用したケア方法

急ぎフロスを使用した歯のケア方法について動画を撮影しました。デンタルフロスでプラークをしっかり落とす方法をご説明しておりますのでぜひご覧ください。

糸型フロスでのケア方法

ピック型デンタルフロスでのケア方法

歯ブラシをした後の磨き残しの状態を着色で表現しています。歯ブラシだけでは、歯の汚れを落とすことはできません。デンタルフロスで歯間のケアをしましょう。
糸型、ピック型のデンタルフロスで歯と歯の間をきれいにしていきます。
歯と歯肉の境目の歯周ポケットに磨き残しがあると、歯周病が進行してしまいます。軽く入る範囲で歯に引き寄せた状態でしっかり歯に押し付けた状態で2、3回往復してください。

神谷町デンタルクリニックでいろいろと試して、プラークの除去効果が一番高いと感じるのが「フロアフロス」です。
糸のタイプを上手に使えない場合は、「ウルトラフロス」をおすすめいたします。

フロス

もちろんご自宅にあるフロスでも問題ありませんので、毎日のケアをしてくださいね。
またデンタルフロス以外にも、自宅でできるケアを他にも紹介させていただきます。

洗口液(マウスウォッシュ)を使用する

洗口液には抗菌剤が配合されているものが多いかと思います。洗口液はお口の中の細菌数を減らすことに効果的なので、ぜひ積極的にご使用ください。

「リステリン」は、歯磨きする前に30秒間しっかりゆすぐ方法をおすすめします。「モンダミン」は、歯磨きが終わってから洗口し、30分以上飲食は避けてください。
商品により推奨される使用方法は異なりますので、ご使用になる洗口液の使い方を一度確認していただく事をおすすめいたします。
洗口液のピリピリする感覚が苦手な方は、アルコールフリーのものを使用してみてください。最近ではマイルドな洗口液も多く、使いやすくなりました。

ただし、洗口液は歯磨きの代わりにはなりませんのでご注意ください。歯についてしまったバイオフィルムは、物理的に歯ブラシやフロス等で取り除く必要があります。あくまで洗口液はお口の中の細菌数を減らすための補助的な役割です。

バクテリアセラピーを使用する

洗口液等の抗菌剤は、善玉菌も悪玉菌も殺菌してしまいますが、バクテリアセラピーとは善玉菌を補い、悪玉菌を抑制するという考えの商品です。
歯磨き、フロス(必要であれば歯間ブラシ)を使用あと、就寝前にロイテリ菌のタブレットを口に含んでいただき、口腔内のバクテリア構成を改善することを目的とします。

ロイテリ菌はヒト由来の乳酸菌の一種で、ロイテリンという抗生物質を生産します。ロイテリ菌はお口の中では虫歯菌・歯周病菌・口臭の原因菌を減少させ、胃に届けばピロリ菌を除菌し、免疫システムをコントロールし、アレルギーやアトピをー改善するなどいろいろな功能があります。またヒト由来の乳酸菌なので副作用がありませんので子供からお年寄りまで安心して使えます。

バイオガイア社のプロデンティスは寝る前になめるだけな手軽なところもおすすめポイントです。寝てる間は唾液の分泌が減少するのでお口の中で効果的に作用します。虫歯になるものは入っていないので安心して使用してください。注意事項としては、寝る前の歯磨きで洗口液等を使用した場合は、30分以上してから使用してください。

参考:バイオガイア社 プロデンティス
https://reuteri.shop-pro.jp/?pid=24514579

禁煙をする

喫煙は、周知のとおり、全身の健康状態、歯周病の悪化に密接にかかわっています。癌や糖尿病、循環器疾患(心臓病や脳卒中)、呼吸器疾患(肺気腫や喘息)などの多くの病気の原因であることは知られていますが、歯周病にも大きな影響を及ぼす上に、歯周病に罹患することによって病気のリスクが上昇します。

また喫煙者は非喫煙者に比べると3倍歯周病にかかりやすく、2倍多く歯を失うと言われています。そして喫煙は免疫機能にも悪影響を与え、ウイルスなどの病原菌に感染しやすくなります。
世界的パニックを起こしている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19)は50歳以上、癌や糖尿病、免疫疾患、心臓病、肺疾患にかかってる人のリスクが高くなることが分かっているそうです。この機会に禁煙をしてみてはいかがでしょうか。

キシリトールガムを噛む

キシリトールとは糖アルコールの一種で、多くの果実や野菜にも含まれています。虫歯菌の一種であるミュータンス菌は、食べ物に含まれる糖を取り込み酸を生成し歯を溶かして虫歯の原因をつくりますが、キシリトールはミュータンス菌が分解できないので口腔内が酸性化することがありません。ミュータンス菌が分解できないということはミュータンス菌の餌にならないので成長を抑制・減少させることができます。またキシリトールガムは噛むこととキシリトールの甘さが唾液の分泌を促進し、酸性化した口腔内を中和させ再石化を促進します。

キシリトールガムには虫歯予防効果があることはよく知られていますが、正しい使用方法をご存知ですか?
キシリトールガムの使用方法は、キシリトール100%のガムを1日3~5回、1回2粒を5分程度噛んでください。食後はもちろん、間食や寝る前にもおすすめします。コンビニ等で売ってるキシリトール配合の商品はキシリトールの含有率が低く、他の甘味料が含まれています。キシリトール以外の甘味料は酸を発生させる可能性がありますので注意が必要です。

外出自粛で家で過ごすことが多く、ついついお菓子を食べてしまい、虫歯や体重を心配してる方が多くいらっしゃるかと思います。キシリトールのカロリーはショ糖の4割と低く、インスリンを必要とせず血糖値の上昇が穏やかで糖尿病の患者さんにも比較的安全に摂取可能だそうです。ついつい食べてしまうお菓子を、キシリトール配合のものに変えることで、虫歯や体重の心配を少しでも減らせるかもしれません。ガムやタブレット、グミやチョコもなどもあるのでかかりつけの歯科医院で相談してみてください。
ただし、これらは歯磨きをしっかり行った上でのお話です。キシリトールガムを噛んだから虫歯にならないということではありませんのでご注意ください。

ご自宅での過ごし方

見落とされがちな口腔内の健康は、悪い状態のまま放置してしまうと身体全体に影響を及ぼしてしまうかもしれません。外出が制限されている今、ぜひ今回ご紹介したような自宅でできるデンタルケアを実践し、健康維持に努めましょう。
健康を維持するためには、このようなデンタルケアだけでなく、食事や間食の時間を決めて、仕事をしながらなどのながら食いやながらの清涼飲料水やミルク、お砂糖の入った飲み物を摂取を行わないことも大切です。また唾液の分泌を促すために一日1.5リットル以上の水の摂取おすすめしております。

また外出自粛は、現時点では通院や生活に必要な買い物をするための外出は含まれていません。歯の痛みがあるなど緊急度の高い方は、放置せずに早めに歯医者を受診し治療を受けてください。歯周病と免疫低下、当院の感染予防についてはこちらでもご紹介しております。

新型コロナウイルスと歯医者/歯周病による免疫低下について
【動画】ご自宅でできる歯磨き方法・口腔ケア

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