根管治療の流れ(初めて神経をとる場合/再根管治療の場合)
公開日:2016.12.07
更新日:2025.06.30
根管治療とは、文字通り「歯の根の神経の管を治療する方法」です。虫歯や感染が歯の神経(歯髄)にまで達した場合に行う治療で、歯の内部を清掃・消毒し、再感染を防ぐために薬剤を詰める処置を行います。
根管治療を検討されている方、根管治療でどんな治療をするか不安に感じている方、根管治療を行うか抜歯してインプラントにするか悩んでいる方向けに、根管治療の具体的な流れをご紹介します。
短期集中で治療ができることから、根管治療のために一時帰国される方も多くいらしていますので、海外にお住まいの方もお気軽にお問合せください。
根管治療の流れ(初めて神経をとる場合)
STEP1:診査・診断
治療開始前:口の中の検査・精密検査
通常、歯科医院で根管治療を受ける際には、まず口の中の検査や精密検査を行います。
歯の状態を目視で確認した後、レントゲン撮影やCT撮影などの画像診断で、どのような状態なのかを正確に把握します。その後、カウンセリングなどを経て、治療方針を固めます。
STEP2:麻酔をして、ラバーダムをかける
口の中は唾液に含まれるおびただしい量の細菌が含まれています。
細菌を含んだ唾液や血液からの汚染を防ぐために、ラバーダムを使用します。
※ラバーダムは保険適用外となっているため、対応していない場合がほとんどです。
STEP3:抜髄(ばつずい)
歯の根の神経の管には、「歯髄(しずい)」という神経が通っています。
虫歯や歯周病などで歯髄が細菌感染を起こし、炎症などを起こすと、他の組織に感染してしまう恐れがあるので、早急に除去する選択が取られます。
そのためまずは歯髄を除去する「抜髄」を行います。専用器具で虫歯などの歯の表面部分を除去した後、感染した歯髄を取り除きます。
STEP4:根管の清掃・消毒
根管内の長さを測定し、内部を清掃・薬剤で徹底的に消毒します。炎症が強い場合は、薬剤を入れて仮封し、数日置いて再消毒することもあります。
STEP5:根管の中に薬を充填する
根管内が無菌状態になったら、隙間なく薬剤を充填します。
根管の中がきれいになるまで、薬での洗浄と薬剤を入れる作業を繰り返します。
STEP6:土台(コア)の作成
根管治療後は、歯の強度を補うために土台を立てます。土台は、金属製やファイバー製などがあります。土台には、歯の補強や根管内に細菌が侵入しないように封鎖する役割があります。
STEP7:クラウン(被せ物)の装着
土台の上に、噛み合わせや見た目を整えるクラウンを被せて治療は完了です。噛み合わせなどを調整して作るので、型を取ってそれを人工の歯にするために時間が必要になる場合があります。
自費診療ではセラミックなどの審美性・耐久性に優れた素材が選ばれます。
神谷町デンタルクリニックでは、CAD/CAMでオールセラミッククラウンを1日で作ることができるため、土台の後の仮歯の期間がない場合もあります。
根管治療の流れ(再根管治療の場合)
STEP1:診査・診断
治療開始前:口の中の検査・精密検査
レントゲン撮影や歯の状態の確認を行い、以前の根管治療が適切に行われているかを確認します。
根管内の感染や治療不足がないかを慎重に評価します。
STEP2:被せ物や土台を除去し、ラバーダムをかける
既存のかぶせ物や土台を除去し、慎重に虫歯を取り除いたあと、ラバーダムをかけるために樹脂にて歯を補強します。
STEP3:古い充填物の除去と根管へのアクセス
ラバーダムをかけた後に洗浄しながら感染源となっている古い充填剤を除去し、感染が疑われる根管の中を綺麗にした後、十分な量の薬液(当院では低濃度の次亜塩素酸とEDTAを使用)を用いて、しっかりと時間をかけて洗浄します。
STEP4:根管内の無菌化と仮蓋処置
根管内の長さを測定し、内部を清掃・薬剤で徹底的に消毒します。炎症が強い場合は、薬剤を入れて仮封し、数日置いて再消毒することもあります。
STEP5:根管の中に薬を充填する
消毒後には薬を詰めて仮蓋をします。仮蓋の下に詰めた薬が、歯の隅々に殺菌効果や炎症抑制効果を発揮します。
再根管治療の場合は、無菌化を徹底するために当日には土台と被せ物の処置を行いません。
再度来院いただき、無菌化が確認できた段階で次の工程に進みます。
STEP6:根管の再充填
徹底的に消毒した根管内部に、再び細菌が入り込まないように根管を封鎖します。
神谷町デンタルクリニックでは、根尖のセメント質の細胞をアクティブにする効果があると言われているMTAセメントにて根管を封鎖しています。
STEP7:土台(コア)の再構築
神経が亡くなった歯は、神経があった時よりも割れやすくなってしまいます。
補強のためにグラスファイバーの芯を入れ、中から補強し、セラミックを被せて外側からも補強します
STEP8:クラウン(被せ物)の装着
土台を形成した後、クラウン(被せ物)を製作して歯を保護します。適切な咬合を確認し、装着後の経過を観察します。
保険診療と自費診療(神谷町デンタルクリニック)の流れの違い
根管治療の大まかな流れは保険診療でも自由診療でも変わりませんが、通院回数や1回あたりの治療時間は大きく変わります。
保険診療では、根管治療は4~9回に分けて行われるため、通院回数は5~10回となることがほとんどです。
完全個室診療でない場合や、ラバーダムを使用しないことがほとんどであるため、感染リスクが高く、再感染のリスクが高くなっています。
また土台や被せ物の素材に金属を選択する場合、金属アレルギーや歯根破折などのリスクもあります。
自由診療ではクリニックにより異なるため、神谷町デンタルクリニックの根管治療の流れをご紹介します。
神谷町デンタルクリニックでは、まずどなたでも初診にお越しいただいております。初診で口腔内を徹底的に検査し、治療開始のための口腔内のクリーニングを行います。
カウンセリングをもとに治療計画を作成し、納得いただいた上で次回の来院の予約をお取りして治療を行います。
また当院では最短1回で根管治療を終えることが可能です。完全個室、ラバーダムの使用などによる徹底した衛生環境、CTやマイクロスコープによる精密な治療で再発率の低い根管治療を行っております。
※難症例や再根管治療の場合は、通院回数が2~3回となる場合があります。
根管治療を受ける歯科医院選びについて
根管治療は再感染を防ぐことが非常に重要です。
成功率を高めるためには、マイクロスコープやラバーダムなどの設備が整い、精密な処置を提供している歯科医院を選ぶことが大切です。歯を抜かずに残したい方は、専門的な治療環境の整った医院での治療をご検討ください。
一度歯を抜いてしまうともう二度と元に戻すことは出来ません。
神谷町デンタルクリニックでは、マイクロスコープによる精密治療で出来る限りご自分の歯を残す治療を行わせていただいています。