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睡眠の質を上げるためには?知られざる食いしばりの影響と対策

公開日:2024.10.28
更新日:2024.10.28

毎日のパフォーマンスや心身の健康を支える大切な要素の一つが「睡眠の質」です。

十分な睡眠が取れないと、朝起きた時の疲労感、日中の集中力不足や倦怠感など、生活のあらゆる面に影響を与えることがあります。
多くの人は、より快適な睡眠を得るために、寝具の選び方や部屋の環境を整えたり、リラックス法を試してみたりしていますが、それだけでは解決できない場合もあります。

実は、睡眠の質を低下させる意外な要因の一つに「食いしばり」があります。
睡眠中に無意識に歯を強く噛みしめるこの現象が、知らないうちに睡眠の妨げとなり、深い眠りに入るのを難しくしていることがあるのです。

本記事では、食いしばりがどのようにして睡眠に悪影響を与えるのか、その原因と対策について詳しく解説していきます。

食いしばりとは?その症状と原因

食いしばりとは、無意識のうちに歯を強く噛みしめる現象です。
多くの人は自覚がないまま、特に睡眠中に食いしばりが発生しています。これが繰り返されることで、睡眠の質が低下し、十分な休息が取れなくなることがあります。朝起きた時に顎や顔、頭や首回りの疲れを感じることがあるのは、夜間の食いしばりが原因であることが多いです。

食いしばりの主な原因は、ストレスや心身の緊張とされています。
仕事や日常生活でのプレッシャーが多いと、日中の緊張が夜間にも続き、歯を無意識に噛みしめることが起こります。
また、不規則な生活習慣や不適切な食生活も影響し、体のバランスが崩れることで食いしばりが発生することがあります。特にカフェインやアルコールの摂取も、緊張や筋肉の硬直を招くため注意が必要です。

睡眠中に食いしばりが起こるメカニズム

睡眠中、特に浅い眠りに入るタイミングで、無意識に歯を強く噛みしめることがあります。この食いしばりが続くと、顎や顔、頭や首の筋肉が長時間緊張状態になり、体全体にストレスを与えることになります。
その結果、夜間に十分にリラックスできず、体が休まらないために、朝の疲労感や体の不調につながるのです。

食いしばりは、浅い睡眠時に頻繁に起こります。
この時に強い噛み締めがあると、脳や筋肉がリラックスできず、深い睡眠に達しにくくなります。結果として、夜通し寝ても疲れが取れなかったり、日中に集中力が落ちたり、倦怠感が続くといった症状が現れます。

食いしばりが繰り返されることで、日常生活にも悪影響を及ぼす可能性があるのです。

食いしばりが引き起こす健康問題

食いしばりは、顎や顔、頭や首の筋肉を過度に緊張させ、筋肉の疲労や痛みを引き起こします。特に顎関節に強い負荷がかかることで、顎関節症を発症し、開口時の痛みや音がする症状が現れることがあります。
また、長期間にわたる食いしばりは、頭痛や首、肩こりの原因ともなり、全身の疲れを感じやすくなります。

さらに、強い噛み締めによって歯に過剰な圧力がかかり、歯の摩耗や破損が進行するリスクがあります。
歯の表面が削れたり、詰め物が外れやすくなるだけでなく、歯全体に亀裂が入ることもあるため、放置することで歯の健康が悪化する恐れがあります。

食いしばりは、単に顎や歯の問題だけでなく、睡眠の質が低下することにより日中のストレス耐性が下がります。
また、無意識のうちに体が緊張してしまうため、睡眠中に十分なリラックスが得られず、疲労感が蓄積します。また、ストレスの蓄積が慢性的になると、全身の不調が現れやすくなり、疲労回復が難しくなることがあります。

結果として、日中のパフォーマンスや生活の質にも悪影響を及ぼすことがあるのです。

睡眠の質を上げるための対策

食いしばりは、知らず知らずのうちに私たちの歯や顎に大きな負担をかけているため、ナイトガードのような物理的なサポートと共に、根本的な原因であるストレスや生活習慣の改善にも取り組むことが大切です。
また、飲酒した際はお酒がさめてから就寝する、就寝前6時間前からはカフェインを摂取しない、朝食をしっかりとり、就寝時に低血糖が起きないような食習慣のコントロールもとても大切です。

また、筋肉の過緊張を緩和するための栄養素、マグネシウムを多く含まれた食事を日常的にとることも非常に大切です。

ストレス管理

食いしばりの大きな原因の一つは、日常のストレスです。ストレスを軽減するためには、リラクゼーションの習慣を取り入れることが有効です。瞑想や深い呼吸を取り入れた呼吸法、マインドフルネスなどは、心身の緊張を解きほぐし、リラックス効果を高めるための手法としておすすめです。また、寝る前に軽いストレッチやヨガを行うことで、体をリラックスさせることができ、食いしばりを防ぐことにつながります。

睡眠環境の見直し

快適な睡眠を確保するためには、寝具や寝室の環境を見直すことも重要です。
例えば、寝具が自分に合っていない場合、体の一部に無理な負担がかかり、筋肉の緊張を引き起こす原因になります。寝具選びに加え、寝室の温度や湿度、照明なども快適に調整し、リラックスしやすい環境を整えましょう。
特に、寝室にはデジタルデバイスを持ち込まない、などは特に効果的です。

また、リラクゼーション効果のある音楽やアロマを使用することも、ストレスを軽減し、眠りにつきやすくする効果が期待できます。特にラベンダーやカモミールなどのアロマは、心身を落ち着かせる効果があるため、睡眠前に使用すると良いでしょう。

歯科的なサポート

食いしばりを防ぐためには、歯医者でサポートを受けることが非常に有効です。
最も一般的な対策としては、ナイトガードやマウスピースを使用する方法があります。これらは、睡眠中に歯を保護し、食いしばりの際にかかる圧力を分散させる役割を果たします。
ナイトガードはオーダーメイドで作成するため、自分の歯型にぴったりフィットし、睡眠中の不快感を軽減しながら、食いしばりによる歯や顎へのダメージを防ぎます。

食いしばりが強すぎたり、マウスピースを入れると却って眠れない、という方にはボトックス治療をお勧めしております。筋肉の過緊張をすぐに軽減してくれるので、眠りの質が格段に改善されてた、という方が多いです。

また、定期的に歯科検診を受けることも重要です。
歯科医は、食いしばりが原因で歯や顎にどのような影響が出ているかを評価し、適切な治療法や予防策を提案してくれます。歯の摩耗や噛み合わせの問題が見られる場合、早めの対応が求められるため、症状が軽いうちに対策を取ることが推奨されます。

健康的な生活習慣で食いしばりを予防しよう

食いしばりを予防するためには、日常的にストレスを軽減し、心身をリラックスさせることが重要です。
定期的な運動は、身体の緊張を和らげ、ストレスを効果的に解消する手段としておすすめです。
軽いウォーキングやジョギング、さらにはヨガなどの穏やかな運動は、体をリフレッシュさせ、筋肉の緊張をほぐします。

特に、寝る前に行うリラクゼーションとしてのヨガやストレッチは、食いしばりの原因となる筋肉の緊張を緩和し、リラックスした状態で眠りに入る助けとなります。深い呼吸を取り入れたストレッチやリラクゼーションの習慣をつけることで、睡眠中の無意識の緊張を抑える効果が期待できます。

また食事の内容も、食いしばりを予防するための重要なポイントです。
特にマグネシウムやカルシウムを含む食事は、筋肉の緊張を緩和する作用があり、食いしばりの予防に役立ちます。これらの栄養素を豊富に含む食品として、海藻、アーモンド、ほうれん草、バナナ、乳製品などが挙げられます。

食事全体のバランスを整え、過度なカフェインやアルコールの摂取を控えることで、心身をリラックスさせ、健康的な睡眠をサポートすることができます。

快適な睡眠のために食いしばり対策を

食いしばりは、知らないうちに私たちの睡眠や健康に悪影響を与える可能性があります。質の良い睡眠を得るためには、まずは食いしばりの改善に取り組むことが重要です。

日常生活でできるストレス管理や生活習慣の見直しに加え、リラクゼーションや栄養バランスに気を配ることで、食いしばりを効果的に予防することができます。

しかし、根本的な対策を講じるためには、歯科的なサポートも欠かせません。
食いしばりが原因で歯や顎に負担がかかっていると感じる場合や、朝起きた時に顎の痛みや疲労感がある場合は、歯科医院での診察を受けることをおすすめします。
歯科医は、ナイトガードやマウスピースなどの適切な治療法を提供し、食いしばりによるダメージを防ぐためのサポートをしてくれます。

定期的な歯科検診を受けることで、食いしばりが引き起こす問題を早期に発見し、適切な対策を取ることができます。睡眠の質を向上させ、毎日を快適に過ごすためにも、必要なケアを始めましょう。
神谷町デンタルクリニックでは、食いしばりをはじめとした患者さま一人ひとりの状況に合わせた最適なご提案を行いますので、お気軽にご相談ください。

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