根管治療後に膿がたまる?原因と治療方法について
公開日:2016.12.07
更新日:2025.06.09
根管治療とは、虫歯や外傷などによって炎症や感染を起こした歯の神経(歯髄)を取り除き、歯の内部を清掃・消毒したうえで密封する処置です。歯の根まで達してしまった虫歯の治療を行い、自分の歯を残すことを目的とした重要な治療ですが、処置後に歯の根の先に「膿」がたまるケースが見られることがあります。
このような場合には、再度の根管治療や外科的な処置が必要となることもあり、慎重な対応が求められます。
根管治療後の膿はなぜ発生するのか
当院にも、「以前に根管治療を受けた歯から膿が出ている」というご相談で来院される方がいらっしゃいます。
根管治療後に膿がたまる主な原因として、以下のようなことが考えられます。
・根管内に細菌が残っていた
・根管が複雑で十分な清掃が行き届かなかった
・歯根に亀裂(歯根破折)がある
・詰め物や被せ物の劣化により再感染した
これらのいずれも、根管治療が適切に完了していない、あるいはその後に何らかの問題が生じた結果として起こる「根尖性歯周炎」と呼ばれる状態です。炎症が進行すると、歯の根の先端に膿の袋(膿瘍)が形成され、腫れや痛みを伴うこともあります。
根尖性歯周炎の放置は危険
膿の袋が小さいうちは自覚症状がないこともありますが、進行すると歯ぐきの腫れや強い痛みを引き起こし、最終的には歯を支える骨が溶けるリスクもあります。また、膿が排出されずにたまると、顔の腫れや発熱などの全身症状を引き起こすこともあります。
そのため、膿が出ている、あるいは違和感があるという方は、早急にかかりつけの歯科医院にご相談ください。
根管治療を行ったクリニックで再度治療を行うのが不安な方は、当院のセカンドオピニオンもぜひご利用ください。
根管治療の成功率は、根管治療を繰り返すたびに低下してしまいます。ラバーダムを必ず使用する徹底的な感染対策とマイクロスコープを使用した精密治療がとても重要です。
膿を除去する治療方法とは?
根管治療後に膿が発生した場合、多くは再度の根管治療(感染根管治療)が必要となります。これは、以前に封鎖された根管を再び開き、内部の薬剤や汚染物質を完全に除去・洗浄・消毒したうえで再度封鎖するという、非常に高度な治療です。
治療の精度を高めるためには、ラバーダム防湿やマイクロスコープの使用など、精密な設備と技術が必要とされます。
さらに、感染根管治療でも症状が改善しない場合や、歯根破折が疑われる場合には、「歯根端切除術」といった外科的処置が選択されることもあります。
予防と治療成功のために重要なこと
根管治療後の膿を防ぐためには、初回治療時にどれだけ精密に処置が行われるかが極めて重要です。根管治療は「ただ神経を取る」だけではなく、見えない歯の内部の感染を徹底的に除去し、再感染を防ぐ密閉処置までを含めて初めて成功といえます。
これから根管治療を受ける方、または過去の治療に不安がある方は、精密根管治療に対応した歯科医院を選ぶことをおすすめします。
当院の根管治療について詳しくはこちら