女性が妊娠前に矯正治療をしておくべき理由
公開日:2025.11.24
更新日:2025.11.24
妊娠を考え始めたとき、体の準備や生活習慣の見直しをされる方は多いと思います。
実は「お口の健康」も、妊娠や出産に深く関わる大切な要素です。
歯や歯ぐきの状態は、母体だけでなく、生まれてくる赤ちゃんの健康にも影響を与えることが示唆されています。
そこで今回は、妊娠前に矯正治療を行うことの意義や、若いうちに矯正を始めるメリットについてご紹介します。
妊娠中・育児中は矯正治療が難しくなる理由
妊娠中はホルモンバランスの変化や体調の波により、歯ぐきの炎症が起きやすくなります。
また、つわりによる嘔吐や食事の変化、姿勢の制限などから、長時間の治療を受けることが負担になるケースも少なくありません。
さらに、妊娠中はお口の中に器具を入れると気持ち悪く感じる方も多く、また、時期により麻酔の使用を避ける必要もあります。それに加え、お腹が大きくなると長時間仰向けの姿勢になるとお腹の重みで腰にある動脈を圧迫するため、時間のかかる治療に制限がかかる場合があります。
出産後も、授乳や夜泣きなどで生活リズムが不規則になり、ご自分のための通院のみならず、セルフケアの時間をを確保することが難しくなります。
お子さまを預ける環境が整っていないうちは、通院やマウスピースの管理を継続することが現実的に大変です。
そのため、妊娠・出産・育児を迎える前のタイミングで矯正治療を行っておくことが安心で効率的です。
妊娠と歯の健康リスクの関係
妊娠期には女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の分泌が増え、これらを栄養源とする歯周病原性細菌が繁殖しやすくなります。
その結果、歯ぐきの腫れ・出血・口臭など、いわゆる「妊娠性歯肉炎」が起こりやすくなります。
さらに、歯周病は妊婦さんにおける複数のリスク要因のひとつとして注目されており、あるケースコントロール研究では、重度歯周病のある妊婦は早産・低体重児の発生が約7.5倍高くなる可能性が示されました。(*1)
妊娠前から口腔内の炎症をコントロールしておくことが、安心して出産を迎えるために重要です。
矯正治療によって歯並びを整えておくと、歯磨きがしやすくなり、歯周病や虫歯のリスクを大きく減らすことができます。
つまり、矯正治療は“見た目”だけでなく、“健康な妊娠・出産”のための準備”でもあるのです。
不妊治療とお口の関係にも注目を
近年では、不妊治療において使用される女性ホルモン製剤が、歯肉の腫れや出血など歯周組織に影響を与える可能性が指摘されています。(*2)
また、慢慢性的な炎症が体内の免疫バランスに影響し、着床に関連する可能性があるとする報告もあります※3。
そのため、妊娠を希望される方や不妊治療を開始される方は、お口の中に炎症がないかを早めにチェックし、必要に応じて治療を行うことが望ましいといえます。
神谷町デンタルクリニックでは、妊婦歯周病治療の専門知識をもつ歯科衛生士が在籍し、不妊治療中の方でも安心して通院できるよう、ロイテリ菌マタニティケアを取り入れた体制を整えています。
若いうちに矯正治療を行うメリット
矯正治療はどの年齢でも始められますが、成長期から20代前半のうちに始めると効率的です。
この時期は骨の代謝が活発なため、歯が動きやすいため、治療期間が長くならずにすみます。
そのため、歯の移動が計画通りに行わない時に行うマウスピースの作り替え回数が少なく済み、費用面でも負担を抑えやすい傾向があります。
また、若いうちに正しい噛み合わせと歯列を整えておくことで、治療後の後戻りが少なく、歯が長期的に安定しやすいという利点もあります。
歯並びが整うことで、歯磨きがしやすくなり、結果的に歯周病・虫歯のリスク管理がしやすくなることにもつながります。
さらに、矯正によって歯並びが揃うことにより、自然な笑顔が生まれることで、社会人生活や就職活動、結婚準備など、人生のさまざまなシーンで自信を持って人と向き合えるようになります。
美しさと健康の両立——それが「妊娠前矯正」の価値
矯正治療は美容整形のような外科的処置ではありませんが、口元のバランスを整えることでお顔全体の印象を自然に美しく変えることができます。
また、噛み合わせの改善は肩こりや頭痛、姿勢にも良い影響を与え、健康面のメリットも大きいです。
「もっと早くやっておけばよかった」と感じる方が多いのは、見た目の変化だけでなく、毎日のケアのしやすさや将来の安心感を実感できるから。
特に妊娠・出産・育児を控える女性にとっては、時間と健康を両立できる自己投資といえます。
神谷町デンタルクリニックの安心サポート

当院では、妊娠中・妊活中の方が安心して治療を受けられるよう、完全予約制・個室診療による感染対策を徹底しています。
また、抗生物質を使わない歯周病治療や、オンラインでの歯磨きレッスンなど、ライフステージに合わせた柔軟な治療方法を選んでいただけます。
矯正治療についても、目立たないマウスピース矯正(インビザライン)を導入し、妊娠や出産の時期を見据えた治療計画のご提案が可能です。
未来の自分と赤ちゃんのために
妊娠や出産、育児の時期は、身体も心も大きく変化します。
そんな中でご自分の「歯の治療」は後回しになりがちですが、実は妊娠前の矯正治療こそ、母子ともに健康でいるための第一歩です。
将来の時間や健康を守るために、今のうちに自分の歯を整えておくこと。
それが、未来の笑顔と安心につながります。
神谷町デンタルクリニックは、女性のライフステージに寄り添いながら、美しく健康な口元づくりをサポートいたします。
出典元:
*1 Periodontal infection as a possible risk factor for preterm low birth weight
※研究により数値には幅があり、因果関係が確立されたわけではありません。
*2 The effects of ovulation induction during infertility treatment on gingival inflammation
*3 Implantation failure: molecular mechanisms and clinical treatment


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