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イギリスで歯科治療は高い?日本とイギリスの歯科治療を比較

公開日:2024.09.29
更新日:2024.09.29

人々の活動が再び活発化している今、海外旅行やビジネスでの長期滞在を予定されている方々が増えています。
現在海外にお住まいの方や、海外に旅行される方のなかで問題になっているのが、滞在先での医療費用です。

海外からの一時帰国で治療を希望される方のお問合せは以前から多くいただいておりましたが、アメリカと日本の歯科治療についての記事は大変反響をいただき、アメリカから一時帰国される方からのお問合せが増えています。
また最近はイギリスの政府の保険での歯科治療事情が悪化しており、イギリスからの一時帰国の治療を検討される方からの問い合わせが増えてきておりますので、今回はイギリスと日本の歯科治療の違いについてご紹介します。

まず前提として、イギリスには日本の保険に近いNHS(国民保健サービス)という保険サービスがあります。
歯科治療でもNHSでは基本的な治療を低価格で受けることが可能です。ただし、特に昨今では、NHSで治療をできる医院がかなり限られてきていたり、治療を受けられるのが数か月先になるといった待ち時間が非常に長いという大きなデメリットがあります。

また、より専門的な治療や審美的な治療は自費になり、費用が高くなる傾向にあります。これに加え、医療提供者とのコミュニケーションが英語で行われるため、言語の壁が治療を受ける際の負担となることも少なくありません。

結論としましては、日本へ一時帰国の予定がある方、もしくはこれからイギリスに訪れる予定がある方は、日本で可能な限り治療を完了しておくことをお勧めします。
当クリニックでは、特に短期集中治療に力を入れており、海外からの一時帰国者や出発前の歯科検診で多くの患者様にご来院いただいております。時間が限られている方でも、最短1回の診療で治療を完了することが可能です。治療に関するご質問や予約はお早めにお願いいたします。

イギリスの歯科医療の現状

それでは詳しくイギリスと日本の歯科治療の違いについてみていきましょう。

NHS(国民保健サービス)の役割

イギリスでは、NHSが基本的な医療サービスを提供しており、一定の条件下で歯科治療もカバーされます。
NHSは費用が3段階となっており、治療内容によってどの段階に振り分けられるかで料金が決定します。料金が固定というのは分かりやすくて良いかもしれませんね。
ただ、NHSが提供する歯科治療は基本的な診断や一部の治療に限られ、全ての治療が保険の対象となるわけではありません。

NHSでは、虫歯治療や抜歯、予防的なクリーニングなどが一定の自己負担額で提供されます。しかし、これには事前の予約が必要で、待ち時間が非常に長いことが問題となっています。

また審美的な治療や根管治療、矯正治療など、より専門的な治療はNHSの範囲外となります。これらの治療を希望する場合は、全額自費で支払う必要があり、治療費が非常に高額になることが多いです。

イギリスにおける歯科治療の問題点

NHSでの歯科治療予約は非常に困難で、時には数ヶ月待つことも珍しくありません。NHSによる診療を行っている医院が減少していることや、物価高などでNHSを利用したい人が増えていることで、この待期期間はかなり長くなっているのが現状です。
歯が痛い、などの痛みを抱えている場合、待っていられませんよね。緊急の治療が必要な場合でも適切な時期に治療を受けられないことがあります。

またNHSの歯科治療の範囲は限定的であり、必要な治療が保険適用外であることが多いです。またNHSだけで治療を行う歯科医院は少なく、NHSと自費診療を組み合わせた治療を提供しています。このため、患者は高額な自費負担を強いられることがあり、経済的な負担が大きくなります。

日本とイギリスの歯科治療の比較

日本の歯科治療は保険診療と自費診療に分かれます。健康保険を使えば、厚労省のきめた内容での虫歯治療、歯周病治療、定期的なクリーニングなどが一定の自己負担で受けられます。保険適用範囲は広く、日本人にとっては非常に手軽にアクセス可能です。

ただし根管治療などの精密治療では、保険外での診療をおすすめする場合もあります。根管治療などは保険診療でも可能ですが、保険診療の場合は厚労省が決めた「広く安く提供できる医療のガイドライン」にそって治療することが不可欠です。

当院ではより精密で成功率の高い根管治療を行うために、保険外診療で最新機器と最高レベルの衛生環境(例:根管内で使用する器具などは毎回新品を滅菌して使用しております。この毎回新品を準備する費用だけで保険の根の治療にかかる全てのコストよりも高額なコストをかけています。)で治療を行っております。

イギリスと日本での歯科治療費の比較

イギリスでNHSの範囲内で治療を受けることができれば、コストを抑えることができます。
ただし前述のとおり、NHSを利用できる医院が減少していたり、治療を受けるまでに何カ月もかかる場合があるなど、適切な時期に治療を受けるのが難しいのが現状です。

またイギリスには日本語対応が可能な日系クリニックがいくつか存在します。日本語が通じるので痛みなどを正確に伝えられるという安心感がありますが、多くは存在しないため、少ない選択肢の中から選ばないといけないこと、また、一般的には日系クリニックは治療費が高くなることが多いです。費用とサービスを天秤にかけた上で選択することが重要です。

さらに円安や物価の高騰を考慮すると、日本での治療がさらに経済的に合理的です。円安の状況でイギリスに渡航し、そこで治療を受けると、為替の影響で実質的な費用がさらに増加します。日本であれば、言語の壁がなく、高品質な治療を比較的低コストで受けることが可能です。

自費診療の根管治療の費用をイギリスと日本で比較しても、恐らく大きな差が出るでしょう。

イギリスに渡航予定の方へのアドバイス

出発前には、日本で包括的な歯科検診を受けることをお勧めします。必要な治療は日本で完了させ、イギリス滞在中に予期せぬ歯科問題に遭遇するリスクを最小限に抑えることが賢明です。

特に歯の根にまで達した根管治療では、再発するごとに治癒率がどんどん悪化し、最後にはご自分の歯を失うことになってしまうこともよくあります。最初の治療が非常に大切な根管治療は、安心できる歯医者に任せるのが1番でしょう。

当院にいらっしゃる方の中には、高品質な治療を受けたいという想いが強く、治療のために一時帰国をされる方も増えています。イギリスをはじめとした海外への渡航を予定されている方、もしくは一時帰国を予定されている方はぜひ一度ご相談ください。

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