ラバーダムを使わないと根管治療はどうなる?
公開日:2016.12.07
更新日:2022.01.08
「ラバーダムを使うと、根管治療の成功率が約90%になる」このようなことを耳にすると、これから根管治療を受けようとしているあなたにとって、もはやラバーダムをやっている歯科医院を訪れるしかなくなります。
でも、実際、ラバーダムを使わずに根管治療を行う歯科医院のほうが多いのが日本の現状です。
では、ラバーダムを使わないと、根管治療はどうなってしまうのでしょうか?
ラバーダムを使う根管治療の効果
ラバーダムを使った場合、根管治療は成功しやすくなるというのは、よく知られていることです。根管治療で重要なのは、「再発しない」ということです。
根管治療とは、歯の根の治療のこと。虫歯が進行してしまい、とうとう神経にまで達すると、神経の通る管を取り除く必要が出てきます。この根管治療では、歯髄を取り覗いた後、キレイにして封鎖する過程で、細菌が入り込んでしまったら失敗です。せっかく炎症している神経を取り除いても、また感染してしまうからです。
ラバーダムを使えば、無菌的な状態で治療ができるので、何より安心というメリットがあります。
ラバーダムを使わない根管治療はどうなる?
では、このラバーダムを使わないと、根管治療はどうなるのでしょうか。
やはりラバーダムを使用しないと、それだけ細菌の感染の可能性が増すため、治療後に再発の可能性も高まります。
しかし、実際、多くの歯科医院ではラバーダムを使わず根管治療を行っています。一般的に、日本の保険の根管治療では5割から8割が再発するといわれています。根管治療を受けようとしているのであれば、この現状は、よく踏まえておくべきです。
ラバーダムは必要?不要?
再発リスクを考えれば、根管治療を受ける際には、ラバーダムを使用している歯科医院で受けたほうがいいでしょう。また、根管治療の成功率をより高めるためには、歯科医院の中でも、「歯内療法」の専門医師や医院を探すことが重要だといわれています。
しかし、成功率を確実に高めるためには、より精密な根管治療を受けることになるため、自費診療になるでしょう。成功率の高い根管治療を受ける場合の費用相場は10~100万円くらいと高額であり、かつ、幅があります。
ただし、単純に「ラバーダムを使っているから」という歯科医院の選び方はあまりおすすめしません。根管治療を受ける際には、よく歯科医院を選び、長期的な目で費用も考えた上で、自分の歯にとって、最適な治療法を選択するのをおすすめします。