根管治療の土台の素材はレジン・メタル・ファイバーコアのどれがいい?
公開日:2016.12.07
更新日:2023.02.10
根管治療は、ひどく進行した虫歯で歯髄(しずい)という神経がつまっている部分の細菌炎症を取り除く治療法です。根管治療の成功で大事なのは、歯髄から感染源を取り除き、再感染を防ぐことです。
細菌を除去する精密な治療を行ったうえで、詰め物をし、その後土台を作って冠(クラウン)をかぶせます。
この土台に使われる素材には、さまざまな種類があります。早速みていきましょう。
根管治療の「土台」作りとは
歯の神経をとらなければならない程まで虫歯が進行してしまうと、歯の神経を抜いた後の歯は、大きく欠損します。そのため、その上に被せ物をする場合には、大きく欠損した部分を補填して「土台」を作る必要があります。
土台を作成した上で、クラウンという冠をかぶせます。これで根管治療が完了になります。
土台の素材は?
根管治療後の土台に使われる素材はさまざまな種類があります。例えばレジンコア、メタルコア、ファイバーコアなどがあります。それぞれの特徴をみていきましょう。
メタルコア
メタルコアは金属製で、最もよく使われる土台です。メタルコアは保険適用がされます。
メタルコアの特徴は硬くて強度があることですが、硬すぎて他の歯が割れてしまうこともあります。メタルを使用しているので金属アレルギーの原因になったり、歯が黒く着色するメタルタトゥーの原因にもなります。
また他の方法と比較して歯を削る量が多いこともデメリットです。
レジンコア
レジンコアはプラスチック製です。歯の治療ではよく使われる素材です。虫歯を少し削った後に入れる白い被せ物がありますよね。それがレジンです。土台では、硬質レジンと呼ばれる白い土台が良く使われます。こちらにも保険が適用されます。
レジンコアのメリットは、保険適用なので比較的安価に治療が受けられることと、色が白いので、セラミックの冠を載せたときに見た目が良いことです。一方デメリットは、強度がやや弱いといわれています。
ファイバーコア
ファイバーコアは強化プラスチック製ですが、補強のために内部にファイバーの芯が入っています。ファイバーコアは保険が適用されません。そのためほとんどが自費診療(保険外診療)となります。
ファイバーコアはのメリットは強度が強く歯が割れにくいことと、そして見た目が白いので見た目も良いことです。またメタルを使用していないので歯や歯茎が黒ずむことがなく、金属アレルギーがないという利点もあります。
当院を含め多くの歯科医院は、ファイバーコアを推奨しています。
細菌の侵入を防ぐ効果が高いのもファイバーコアです。
当院では土台作成時の再感染を予防するためにラバーダム防湿下で、再感染のリスクを極力減らした環境で、ジルコニア補強されたファイバー補強材を用い、ジルコニアパウダーを添加された生体親和性の高い樹脂にて土台を作成します。
土台の素材による費用の違い
これらの3つのコアをご紹介しましたが、保険が適用されるものとされないものとで大きく価格が変わってきます。
・メタルコア:約500~1,000円(保険治療による自己負担)
・レジンコア:約500~1,000円(保険治療による自己負担)
・ファイバーコア:約1~6万円
短期的にはメタルコアでも問題ありませんが、歯が割れるリスクや金属アレルギーの影響などを考慮して、価格だけで判断しないことをおすすめします。