膿がたまったらどうする?根管治療について
公開日:2016.12.07
更新日:2022.01.08
根管治療といえば、歯の神経のある歯髄を取り除くのが一般的ですが、中には、歯の根っこにたまる膿を除去する治療が行われることがあります。
これも根管治療の一つですが、根管治療のやり直しになることが多いため、非常にむずかしいともいわれます。
今、膿がたまっている可能性のある人や、今から根管治療を受けるという人は、膿がたまるリスクや治療法についてみておくのをおすすめします。
歯の根の先に膿がたまるってどういうこと?
歯には、根っこがあります。よく、歯のイメージ図で、歯の埋まっている先端が二股に分かれていて、細い足のようになっているものを目にしますよね。実際、このように歯には「根」という部分があり、埋め込まれています。
この歯の根の最も先端部分に、「膿」がたまって袋状のものができることがあります。この膿の袋ができる病気のことを「根尖性歯周炎」と呼びます。放置すると大きくなったり、歯の根っこが溶けてきたりするので、早期に適切な治療が必要です。
根管治療の後に膿ができる!?
このような膿ができる原因は、神経を取った治療の後、神経が入っていた空洞部分に細菌が侵入・繁殖することで、歯の根部分が感染してしまうことにあるといわれています。
過去に歯髄を取る治療をしてかぶせものをしていた人や、歯髄の神経が死んでしまい、そのまま放置していた人に起きることがあるものです。
こうなると、痛みが出ることもあるため、すぐに治療するのが推奨されています。
膿を除去する方法は?
膿を除去する方法には、できるだけ根の中の細菌を除去して、薬でふさぐことで再び感染しないようにすることがあります。これを「感染根管治療」と呼びます。しかし、ここでしっかりと原因を除去しなければ、再発してしまうので、慎重に行われます。
さまざまな治療法がありますが、膿を取る根管治療は、根管治療のやり直しになることもあるため、高度な技術が必要だといわれています。
例えば、以前の根管治療でつめた薬をすべて除去して洗浄して消毒する工程などが必要になるため、ラバーダムを使用した精密根管治療が必要です。
また、もし感染根管治療で治療できなかった場合、歯の根を切り取る外科手術が選ばれることもあります。
このように、根管治療の後、歯の根に膿がたまることがあります。こうならないためには、感染した歯髄をしっかりと取るなどのふさわしい治療が行われることが求められます。根管治療を受ける前の段階で、この膿がたまる「根尖性歯周炎」を引き起こさない治療レベルの歯科医院を探すのがいいでしょう。